志木市広報_私たちの健康「スポーツと栄養」2020.09 - taikyochigasaki20221 ページ!

 

 <参照・引用志木市広報 2020.9月号> 私たちの健康「スポーツと栄養

 

スポーツと栄養     朝霞 あさか 地区医師会 三浦 志朗 みうら しろう

 

私達が生きていくためには、三大栄養素と言われる 炭水化物、たんぱく質、脂質に加え、

ビタミンやミネラルが必要です。スポーをするにはこれら栄養素のバランスの良い摂取 せっしゅ が大切です。

 

1)  炭水化物(糖質)・・すぐに役立つエネルギー成分

 

スポーツ中に糖質のエネルギーを使い切るとどうなるでしょう? 急に力が入らなくなり、集中力も低下して

運動どころではなくなってしまいます。糖質はご飯やパン、果物などから摂取し、筋肉や肝臓で

グリコーゲンとして蓄えられ、運動時に分解されて最初のエネルギー源として利用されます。

身体に蓄えられるグリコーゲン量はわずかなため、長時間のスポーツでは使い切ってしまいます。

そこで数日前からはしっかりと糖質を摂り とり、脂肪を減らした食事でグリコーゲンを溜め込んでおく

ことが大事です。また運動中もこまめに糖質を摂り、運動後には糖質と一緒に筋肉の疲労回復を早める

クエン酸(ミカン、レモンなどに多い)を摂ることも良いでしょう。

 

2)  たんぱく質・・身体を作る成分

 

たんぱく質不足になるとスポーツに大切な血や骨や筋肉を作れません。肉や魚、卵や豆などに多く含まれる

たんぱく質は体内でアミノ酸に分解され、血や骨や筋肉を作ります。強い運動後には筋肉痛になり

3日ると治りますよこれは運動して壊れた こわれた 筋肉が終了後超回復して増大前よりも強く

なっていくためです。運動後に適切なたんぱく質と炭水化物を摂ることが筋肉の発達を助けます。

また成長ホルモンは筋肉の発達に重要で、運動後睡眠中に多く分泌されます。そのため筋肉を作るには

十分な休養と睡眠も大切です。

たんぱく質を構成するアミノ酸のうち 分岐鎖アミノ酸 ぶんきさ あみのさ BCAA:バリン、ロイシン、

イソロイシン)は特に大切です。筋肉分解を抑えたり運動中の疲労軽減にも役立つため、運動前や運動中に

サプリメントとして摂取しても良いでしょう。

 

3)  脂質・・高カロリーでエネルギー不足を補充

 

脂質は 三大栄養素の中で gあたりのカロリーがもっとも高く普段のエネルギー源として大切です。

ゆっくりとした運動中はエネルギー源にもなります。しかし消化吸収速度が遅いため、運動前の摂取

摂りすぎには注意が必要です。

 

4)  ビタミン・・栄養素の利用を助け、免疫力を高める

 

水に溶けるビタミン群や、脂肪に溶けるビタミンなどがあります。スポーツでは、

炭水化物からエネルギーを作り出す時に必要な ビタミンB1 は特に大切で、玄米や豚肉、絹ごし豆腐などに

多く含まれます。また ビタミン 貧血予防に大切な鉄分の吸収を助けたり、免疫力向上動脈硬化を防ぐ

働きもあり積極的に摂りたいビタミンです。

 

5)  ミネラル・・身体の調子を整える

 

ミネラルも食事から摂取する必要があり、骨を形成し、筋肉や神経機を助けたり、貧血を防いだりします。

鉄は酸素を運搬る血液成分であるヘモグロビンの材料となるため、不足すると貧血になり、筋肉の疲労や息切れ、

動悸 どうき が起こり運動能力も低下してしまいます。

特に女性アスリートには貧血は大きな問題です。鉄分はレバーや赤身の肉、ほうれん草、ひじきなどに

多く含まれ、毎日でも摂取る必要があります。牛乳多く含まれるカルシウムや、野菜に多いマグネシウムは、

骨を強くしたり筋肉のけいれんを抑えたりします。

 

6)  水分

 

体の中は が水分であり、運動中に水分を補う おぎなう ことはとても大切です。汗の成分は

水と塩分を含むミネラルのため、運動中は水だけでなくミネラルや糖分を含んだスポーツドリンクで

水分を補うことが便利です。スポーツドリンクはすぐに吸収しやすい濃度に調整してあり

ミネラルや糖分だけでなく、アミノ酸のBACCや疲労回復のクエン酸を含んだものもあります。

 

運動中でも、できれば おき位に 100 200 程度を接種するのが良いでしょう。